深刻な症状を引き起こしやすい双極性障害は早めに診察しよう

婦人
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誰でもなりうる病気

看護師

双極性障害とは、以前は躁うつ病と呼ばれていた病気です。うつ病はうつの症状だけ現れますが、双極性障害はうつと対極の躁状態も現れ、これを繰り返すのが症状です。うつ状態のときは一日中ゆううつな気分のままです。すべてのことに興味が持てなくなり、何をしても楽しいと思えません。それに加え、早朝覚醒や食欲減退、自殺念慮といった症状が毎日続く状態です。一方躁状態になると気分が高揚して、誰彼構わずしゃべり続ける、一睡もしなくなるなど、活動的になります。高額な買い物をして借金をしたり、上司と大喧嘩して辞表をたたきつけたりすることもあります。無茶なことに次々と手を出して、しまいには仕事や家庭に支障をきたします。ここまで激しくはないけれど、明らかに気分が高揚していて活動的になっている状態のときには、軽躁状態と呼ばれます。躁状態や軽躁状態のとき、本人には自覚がないことがほとんどです。そのためうつ病と思われやすく、正しい診断が下されるまで、また患者本人が病識を持つまでに時間がかかることがあります。双極性障害は、躁の程度によって、2種類にわかれます。うつの他、激しい躁状態が起きると「双極一型障害」、軽躁状態だと「双極二型障害」といいます。発症原因はまだ解明されていませんが、精神疾患の中でも脳の影響が強い病気と考えられています。遺伝的要素は発見されていません。性別や年代を問わず、どんな性格の人でもかかる可能性があります。世界的には100人に1人の割合といわれており、珍しい病気ではありません。

双極性障害は放置すると大変危険です。特にうつと躁の混合期は、気分は落ち込んでいるのにじっとしていられない場合があり、自己破滅的な行動をとりかねません。躁状態が激しいと、社会的損失や人間関係の破綻につながることもあります。しかし現在、双極性障害は治療法が確立されていますので、安心してください。基本は薬物治療です。気分安定薬を中心に、抗精神病薬や抗うつ薬などが処方されます。また、並行して心理療法も用いられます。双極性障害は脳の病気なので、カウンセリングだけで治るものではありません。しかし治療を行う上で患者本人が病気を理解するため、医師からの一方的な治療ではなく、心理教育と呼ばれる対話型の治療も行われているのです。症状によっては、よりよい考え方を身につける認知行動療法や、対人関係のシミュレーションを行う対人関係療法なども使われます。規則正しい生活を送ることも、治療によい効果があります。朝起きて日の光を浴びて夜は睡眠を6時間以上とること、1日3食のバランス良い食事と適度な運動など心がけましょう。双極性障害は再発の可能性が高い病気です。症状が治まったかにみえても、自己判断で断薬や減薬は絶対にしないようにしましょう。うつや躁の再発の予兆が見えたら、すぐに病院を受診してください。長期的に付き合わなければならない病気ではありますが、適切な治療を受けていれば、病気前と変わらない生活が送れます。まずは自分の病気を認識して、あきらめずに治療しようという意志を持ってください。